はじめまして。

Bebê

2011年07月13日 20:07

 mixi から流れてまいりました。日記は今日からこちらで書きます。どうぞ宜しくお願いいたします。

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 自分の好きなこと、というとまず第一に音楽になる。少年時代からいい歳をしたおっさんになるまで聴き続け、楽器を弾き続けているのだから、もう随分長い。それなりに信念もあったから、途中で止めるということは考えもよらなかった。これからも同じだと思う。いや、この歳になってしまうともう止めるということが出来なくなるのではないか。それからもう一つ、ある時期になって止めてしまうというのは、それまでもやってこなかったのと同じことだと思うようになった。とすれば発言する資格も当然ない。これからも音楽について、楽器を演奏することについては大いに書き、語り、考えていくことだろうから、やはり止められない。私は音楽と幸福に出会ったのだと考えている。

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 ここ数年間、日曜日には若い人たちが訪ねてきて、ギターの弾き方やポピュラー音楽を理解するための理論などを教えている。4月開始の1年単位としているので、今年3月には希望者と一通り会った。その中でひとりだけ、残念ながら指導をお断りした。彼は私を訪ねてきて、こう言った。ギターで食っていきたい。食えるようになるにはどういう音楽をやればいいか?そのためには1日どれだけ練習すればいいか?

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 私は来るものは拒まずという姿勢だから、そういう彼をも受け入れようとしたが、問いに直結するような答えを私がしなかったことに彼は苛立ち、話がさらにチグハグになった。彼の問いに正面から答えるのは実は簡単なことである。しかしそういう問いを発する背景に、音楽を学びたい、音楽を楽しみたい、音楽を一生の友としたいという気持ちがどうしても見受けられなかった。結論としては、別に音楽でなくてもいいんじゃない、というところに落ち着いた。

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 私なら、1日どれだけ練習すればいいかと自問すれば、睡眠以外の時間を全部練習に費やそうとするだろう。実際に私は高校生のとき、帰宅して勉強を済ませると、自営業を営んでいた父の仕事場に夜な夜な入り込んで、平日でも明け方近くまで練習した。音楽が好きで、ギターが好きで、だから練習するのだし、技術的に壁にぶつかれば、それを突破するまで練習するしか他に方法はないだろう。適切な指導者がいれば別だが、田舎の社会では望むべくもなかった。実はそんな無茶な練習は、そもそも学業に差障るからすべきではないし、指や腕の筋肉や関節を痛めることにもなる。さらに朝になれば学校が始まる前にアルバイトもしていたから、眠るヒマさえなく、我ながら呆れる。

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 今でもちゃんとメニューを作って練習している。40代も終わりにさしかかろうというのに、こういう練習をしたらもっと上手くなるのではないかと想像すると楽しい。実際に家にいる時には、時間が許す限り音楽を聴き楽器を練習している。さらに言えば、その時間をたくさん確保するために他の用事をどう合理的にこなそうかと考えていると思う。この歳になってようやく分かってきた音楽もある。だから時間なんていくらあってもたりないのだ。そしてこれが大切なことだと思うのだが、音楽だけではなしに生活そのものが活性化していると思う。やはり何かに一生懸命打ち込むことはいいことなのだ。

 核時代66年07月13日 Bebê