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2014年02月22日

解説文のわかりにくさ

「駆け込み寺」という言葉の由来を知りたくて、
Wikipediaで調べようとしたら間違えて
投げ込み寺」と入力してしまった。

「投げ込み寺」などという言葉があるなど想像もつかず、
しまった間違えたと思う間もなく解説文が表示されて驚いた。

私は自分の作文技術にたいそうコンプレックスをもっており、
どうしたらもっとちゃんとした作文が書けるのだろうかなどと考えるが、
なかなか有効策はない。

しかし自分自身の作文がお粗末なくせに、
大胆不敵にも人様が書いたものには注文をつけたくなるという
困った性癖が私にはある。
とくに「解説文」のような性質の文章には。

「投げ込み寺」の解説文はこんなふうだ。

****【以下Wikipediaからの引用】**********************
投げ込み寺(なげこみでら)は、寺に身よりのない遊女や行き倒れなどの遺体が放り込まれたことからそれらの寺についた俗称である。
****【以上、引用終わり】*************************

この解説文の中には「寺」という言葉が2回出てくるが、
最初の「寺」はないほうがいいんじゃないか。
次に出てくる「寺」で要件は足りるから。
さらに「遊女」の「身より」が(最初の)「寺」にあるかどうかを
問題にしているように読めるから。

もちろん一般常識として「遊女」の「身より」は普通「寺」にはないだろう。
だから気を利かせて読めばわかるはずのことだ。
しかしわからないことを調べようとしてこのような文章に出くわし、
そこで気を利かせないと理解できないのならばちょっと悲しい。

また「身よりのない」という形容詞句はどこにかかるのか。
直後の「遊女」にかかるのは間違いなさそうだが、
その次の「行き倒れ」にはかかるのかかからないのか。
「行き倒れ」の場合はどちらととっても間違いではない。

それから「遊女」は生きているのか死んでいるのかも気になる。
「行き倒れなど」は直後に「遺体」とあるから死んでいるとわかるが、
「遊女」の場合は文法的には生きていると理解しても死んでいると理解しても
共に間違いではない。

このような複数の理解の仕方を許容する書き方は、
少なくとも解説文では良くないと思う。
とはいえこの記事の執筆者が特別に駄目だということではなく、
普段目にする新聞記事の執筆者も大体同じようなものだ。

syukunocamui@gmail.com




Posted by Bebê at 22:04│Comments(1)作文技術
この記事へのコメント
ブログタイトル・紹介に使われている「左巻き」の意味もお調べになったほうが良いと思います。「左巻き」に「左翼」の意味はありません。
Posted by ま at 2014年06月04日 08:33
 
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